大皿に盛りつけられたお料理を
分け合って会話とお料理、お酒を愉しむのが
中華料理の原点です。
お箸を使う国とはいえ、
日本とは異なるマナーもあるので
きちんと知っておくと、
スマートに食事が楽しめます。
中国料理に円卓は欠かせません。
円卓テーブルに座ることで、
全員の顔が見えやすく、
コミュニケーションが取りやすくなっています。
また「角がない」というのも重要です。
食事作法
中国では宮廷の宴席に
八仙卓子が使用されていたが、
現在では円卓が使われている。
まずテーブルクロスをかけ
卓上中央にターンテーブルをのせ
中央に盛花を飾る。
各席ごとに、料理、調味料、酒類、
グラス、菜単(献立表)、ナプキン、などを置く。
席次の決め方
重要な集まりの席次は、宴席の主旨、
主席者の地位、経歴、年齢などを熟慮して決定する。
最初に主賓席を決め、
序列による席次にするかどうかは、
ホスト側の意向による。
いずれにしろ、和やかな雰囲気になるように配慮する。
調理のサービス方法
サービスの方法には、客個人が取り分ける、
集餐(しゅうさん)方式、1人一皿の分餐方式、
集餐・分餐混在型の三つがある。
1.集餐方式
料理を個別に小分けしないで
大盛りで出す方法が原則。
料理皿にサーバーを添え、
下位席からターンテーブルに置く。
上位席まで時計周りに回転させ、
主客は、自ら取り分け次席に回す。
大皿か大鉢で出された料理は
それぞれが箸で直接自分の口に運ぶ。
2.分餐方式
個々盛りのサービスで、
取り分ける順番は上位席から始まる。
レディーファーストも
心得ておかなければならない。
3.集餐・分餐混在型
料理は下位席からターンテーブルに置き、
時計周りに回し、披露した後に、
サイドテーブルやサービスワゴンの上で
給仕人が取り分けをする。
食事作法(テーブルマナー)
食事におけるマナーは、
周りの人に迷惑をかけないことを前提として、
自然に楽しく食事をする。
① 宴会料理の飾り盛りされた前菜は、
目で鑑賞し、食材は人数分で
構成されているので、1種類ずつ取り分ける。
② 料理を取り分ける際は、
右手にサーバースプーン、
左手にサーバーフォークを持つ。
③ 料理皿のサーバーは、
下にフォーク、上にスプーンを伏せて
重ねた状態にする。
④ 食べる速さは周りの人に合わせる。
⑤ ふかひれの姿煮や湯麺類は
左手のれんげに受け、右手の箸で口に運ぶ。
スープを飲むときはれんげを右手に持ち替える。
⑥ 飯椀は手に持ってもよいが、
湯碗、取り皿は手に持たない。
⑦ フィンガーボウルやおしぼりを出されたら、
手を使って食べてもよい。
⑧ 小骨は口の中でより分け、
目だたないようにれんげか箸で受け、
取り皿の端に置く。
⑨ ふた付きのお茶が出されたら、
ふたをずらして飲む。
中国の食に関するマナー
1.広東料理の一つである飲茶の場合、
お茶をつがれる際に、
人差し指でテーブルをトントンと叩く。
これは注いでくれる相手に対してのお礼である。
これは、中華料理を食する場合、
通常は会話を楽しみながら食すので
お茶を注いでくれる人に対して礼を言うと
他の人との話の腰を折ってしまうのでそれを防ぐためである。
2.多くにおいての中華料理を食す際には、
皿は手で持たない。
スープ類には散蓮華(ちりれんげ)が
ついてくるのはそのためである。
スープ類、麺類を食す際には、
音を立ててすすらない。
3.客人として訪問した際には、
食べきれないほどの料理が出てくることが多い。
この際は食べ残して良い。
なぜなら、食べきれないほどの料理で
供応することがホストとしてのマナーであるからである。
全て食べきることは「まだ料理が足りていない」、
つまり催促しているという意味になり新たな料理が出てくる。